日本では死後は先祖の墓に入り、子孫が面倒を見るということが一般的ですが、近年は「お墓に入りたくない」「死後は自然に還りたい」という意志を持つ方が多くなっています。

お墓に入る以外の選択肢として注目されているのが「海への散骨」です。

この記事では、「そもそも海への散骨はできるのか？」ということから、海へ散骨する場合の条件やマナー、流れ、業者に依頼する場合の費用相場や選ぶ際のポイントまで、詳しく解説していきます。

そもそも海への散骨はできる？

海へ散骨することは可能です。

とはいえ、届出や法律の面について不安に感じている方は多いのではないでしょうか。

実は、遺骨を海に撒くことは法律で禁じられておらず、自治体への届け出や許可も必要ありません。

詳しい内容を見ていきましょう。

遺骨を海に撒くことは法律で禁じられていない

遺骨を海に撒くこと自体は、法律で禁じられていません。

基本的には、岸から遠く離れた沖合であれば、散骨することができます。

ただし、厚労省が定めた「散骨ガイドライン」や日本海洋散骨協会が作った「日本海洋散骨協会ガイドライン」に基づき、決められた条件やマナーを守る必要があります。

自治体への届け出や許可は必要ない

海への散骨は、基本的には自治体への届け出や許可は必要ありません。

ただし、自治体によっては、細かいルールがあるケースもあります。

散骨に関する条例がある自治体は、北海道、長野県、神奈川県、埼玉県、静岡県です。

多くの場合は、陸地への散骨の規制であって、海への散骨に関する条例があるのは、静岡県の熱海市と伊東市のみです。

熱海市では、「土地から10㎞以上離れた会場で散骨すること」とされており、伊東市では、「陸地から11.11㎞以内での散骨を禁止する」とされています。

ただ、「飲料水を汚染する恐れのない場所に撒くこと」「災害が発生する可能性のある場所は避けること」などの規制がある自治体もあるので、一度自治体に確認するか、専門業者に依頼しましょう。

海へ散骨する場合の条件やマナー

海に散骨する際の条件やマナーは、主に以下の3つです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

【1】散骨する場合は2mm以下の粉骨にする

遺骨をそのまま撒くことは法律で禁止されており、もしも違反した場合は「死体遺棄罪」にあたります。

そのため、散骨する場合は、必ず粉骨にする必要があります。

「2mm以下」と指定しているのは、日本海洋散骨協会のガイドラインの中に以下のような表記があるからです。

個人で遺骨を粉砕し、パウダー状にまでするのは、精神的にも物理的にも負荷がかかるため、業者に依頼するのがおすすめです。

【2】漁場や海水浴場の近くにはまかない

海は誰の所有物でもないため、私有地はありませんが、漁業権があります。

漁場や養殖場の近くや船の航路上などは漁業権を損なう恐れがあるとして、散骨は禁止されています。

また、海水浴場の周辺も、公衆の迷惑になる恐れがあるため、避けるべきです。

日本海洋散骨協会が出しているガイドラインでは、以下のように規定されています。

周辺の土地の所有者や地域住民、漁業関係者などの迷惑にならない場所を選びましょう。

【3】副葬品は海に還るもののみまく

海洋環境の保全への観点から、副葬品(骨と一緒に撒くもの)は、自然に海に還るもののみとされています。

自然に海に還るものとは、花びら、お酒や飲み物、食べ物(中身のみ)などです。

故人のお気に入りのものや思い出の品などは、あらかじめ故人と一緒に火葬しておきましょう。

海に散骨するときの流れ

海に散骨する時のおおまかな流れは以下の通りです。

海への散骨を個人で行うとなると、粉骨や船のチャーターなど大変な作業が多いため、業者に依頼するのがおすすめです。

そのため、まずは業者選びから始めましょう。

故人や家族の希望する海域や予算の範囲内で行ってくれる業者を探し、依頼、契約します。

業者に依頼した際に、「火葬証明書」の提出を求まられた場合は提出しましょう。

契約後は業者に粉骨してもらい、海に有害な「六価クロム」を無害化処理を行います。

船をチャーターして立ち合い散骨する場合は、立ち会う人たちのスケジュールに合わせてくれる場合が多いですが、代行散骨や合同散骨の場合は、業者が指定する日から選ぶことになります。

当日は、乗船して会場へ向かい、最後のお別れをして散骨、献花や献酒、業者によっては海域を周回し、港へ帰るといった流れです。

業者に依頼して海へ散骨する場合の費用相場

業者に依頼して、海に散骨する場合の費用は、「自分で散骨するか」「船を貸し切るか」などの要素によって異なります。

海への散骨方法には以下の3つがあります。

代行散骨→合同散骨→立ち会い散骨の順で料金が上がる場合が多いです。

費用相場について詳しく見ていきましょう。

代行散骨

代行散骨は、遺骨を業者に郵送して、遺族は現地に行かずに、業者に代理で散骨をしてもらう方法です。

代行散骨の場合、約2万円～10万円が相場で、平均的には5万円前後が多くなっています。

たとえば、みらい散骨では、東京湾での代行散骨を、粉骨料込みで17,800円で行っています。

南房総で行っているので、外洋に近いきれいな海で散骨できます。

合同散骨

合同散骨は、一つの船に一度に複数の遺族が乗船し、順番で散骨を行う方法です。

合同散骨の料金は、一組ずつの料金設定をしている場合と、人数で料金設定をしている場合があります。

一組の料金は、だいたい10万円～20万円くらいが相場です。

人数は、一組2人～4人までがほとんどとなっています。

乗船人数を追加する場合は一人あたり1～2万円かかることが多いです。

大人数で乗船したい場合は、船をチャーターした方が安くなる場合があります。

立ち会い散骨

立ち会い散骨は、遺族や関係者のみで船を一隻チャーター(貸切)して散骨に向かう方法です。

そのため、使用する船の大きさや人数、散骨する海域によって違いが出てきます。

相場は、15万円～40万円くらいです。

たとえば、みらい散骨では、東京ディズニーランド沖や羽田空港沖では176,000円(1～5名)、南房総沖では230,000円(1～5名)で立ち会い散骨を行っています。

立ち会い散骨では、チャーターする船の乗船人数を超えなければ何人乗っても問題ありません。

もしも、大勢で見送りたい場合は、大きめの船をチャーターすると良いでしょう。

海への散骨はどこに依頼すればいい？

海への散骨をする場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。

中でも葬儀社が運営している業者なら、葬儀から火葬まで一貫して対応してもらうことができます。

たとえば、「みらい散骨」では、ご遺体の引渡しから葬儀、火葬、散骨までを最後までサポートしております。

海への散骨を行っている業者は数多くありますが、葬儀から散骨まですべてを一社に任せられるのは葬儀社ならではのメリットです。

海への散骨を依頼する業者を選ぶ際の4つのポイント

海洋散骨を依頼する業者を選ぶ際のポイントは、以下の4つです。

ポイント1：希望する海域に散骨してくれるところを選ぶ

故人の希望や遺族の希望などで、希望する海域がある方は、その希望する海域に散骨してくれる業者を選びましょう。

業者によっては、日本だけではなく海外にも対応しているところもあります。

予算と相談しながら、どの海域で散骨するか決定しましょう。

ポイント2：料金を明細提示してくれるところを選ぶ

料金は、業者によって様々です。

業者によっては、粉骨料金や、散骨証明書の発行料金、献酒・献花料金など、すべてプランに含まれている場合もあれば、追加でオプション料金がかかる場合もあります。

また、船上でお清めをするプランや、周忌法要のメモリアルクルーズが含まれているプランが用意されていることも。

料金体系は様々なので、何にどれだけの費用がかかっているのか、見積もりの際に料金を明細提示してくれるところを選びましょう。

料金の内訳を理解した状態で契約しないと、後から思ってもいない追加料金がかかったり、必要な工程が入っていないなど、トラブルのもとになります。

ポイント3：散骨証明書を発行してくれるところを選ぶ

散骨証明書は、散骨した海域の緯度と経度を記したものです。

散骨証明書があれば、年忌法要を行う際に散骨した海域に出向いて、故人を偲ぶことができます。

公的なものではないため、発行しなくても問題ありませんが、「確実に散骨した」という証明になり、遺族の安心につながります。

ただし、散骨証明書の発行には追加料金がかかる場合があります。

事前に確認しておきましょう。

ポイント4：実績が豊富なところを選ぶ

まだ実績のない小さな業者は、クルーザーの手配が遅かったり、粉骨作業に時間がかかったり、希望の日程に船を出してくれなかったりと、様々なトラブルが考えられます。

一方で実績の豊富なところであれば、口コミや評判などからどのようなところなのかを知ることが可能です。

たとえば、みらい散骨は、累計4,000件の実績があり、Googleマップの口コミでも高評価をいただいております。

業者を選ぶ際は実績に加え、口コミや評判をチェックすると失敗しにくくなります。

海への散骨は可能！信頼できる業者に依頼するのが安心！

ここまで解説した通り、海への散骨は基本的に可能です。

個人で行っても法に触れることはありませんが、2mm以下に粉骨しなければならないことや、沿岸から2㎞以上離れた海域に散骨しなければならないことを考えると、個人での散骨は難しいでしょう。

そのため、海へ散骨するのであれば、信頼できる業者に依頼するのが安心です。

選ぶ際のポイントや費用相場などを参考に、最も希望を叶えくれる業者を選びましょう。

みらい散骨では、立ち会い散骨や代行散骨を行っています。

病院・自宅へのお迎えから葬儀、火葬、散骨まで一貫してお手伝いできるのがみらい散骨の特徴です。

「大切な人を海へ送りたい」という方はみらい散骨にご相談ください。